皆さんの腕はどこから生えていて、どこから動かしているイメージを持っていますか?
このイメージのズレは、運動や日常生活における肩への過度の負担や、姿勢の歪みに繋がります。
少し考えてみてください。
実際の解剖学的な話(上腕骨はどこについていますか?」ではなく、動く上でのイメージです。
インスタでフォロワーさんにアンケートを取って、ご意識を聞いてみました。
みなさんはAかBどちらのイメージですか?
普段運動をしたり家事をしたりするときに腕を使う時のイメージです。
Aは、一般的に「肩」「腕のつけね」と言われる部分。
Bは鎖骨の付け根にあたる部分です。
腕~肩の骨を見てみよう
答えというか、一応「こっちの意識で動かして欲しい!」というのはあります。
それはBです。
なぜかと言うと、腕の構造上それが自然だからです。
まず骨格を見ていきましょう。
骨格の位置が変わることで、人は運動をしています。
筋肉を動かすとは、骨格を動かすということです。
肩周りの骨はこのような感じになっています。
実は、腕の骨(上腕骨)は胴体にくっついているわけではありません。
イメージとしてはぶらさがっているだけなんです。
まず、胴体についているのは鎖骨です。
胸骨という胸の真ん中にある硬い骨と、左右の鎖骨が繋がっており、鎖骨は肩甲骨と繋がっています。
肩甲骨は背中側で肋骨と「肩甲胸郭関節」という名前で関節になっていますが、
強くくっついているというよりは、肩甲骨が肋骨の上に乗っかっている感じです。
腕が動くときには肩甲骨が肋骨の上をすべるようにして動きます。
そして、肩甲骨の端に肩の関節があります。
ここで初めて上腕骨が出てきます。
つまり、胴体としっかり繋がっているのは鎖骨で、その先に上腕骨があるという感じ。
鎖骨の端以外は胴体としっかり繋がっておらず、肩甲骨と上腕骨はぶらさがっているような感じです。
では、どうして腕が鎖骨から生えているようなイメージを持つべきなのでしょうか?
肩甲上腕リズム
腕を動かす際は、「肩甲上腕リズム」と呼ばれる肩甲骨と上腕骨のリズミカルな連携が必要になります。
上腕だけ動かしても、ある一定のところまでしか動きません。
もしくは、動いても骨格にとって無理な動作になり、体を痛める原因になります。
上腕骨だけでなく、土台である肩甲骨が動いて初めて人が本来持つ「腕」の機能を使い切ることができます。
リズムをつくるのは動きの意識
「じゃあ、肩甲骨を動かせば良いの?」と思いがちですが、なかなかそれでは上手くいきません。
というのも、、、、
②意識が肩甲骨だけに偏ると、動いてもリズムが崩れて連動が悪くなる。
そこで、意識したいのが鎖骨です。
先にも説明した通り、骨格の構造上、鎖骨が胴体と繋がっていて、その先に肩甲骨や上腕骨があります。
動きとしても、鎖骨は常に肩甲骨と一緒に動きます。
また、鎖骨は前側についていることで肩甲骨よりも意識がしやすいです。
つまり、「鎖骨を動かす=肩甲骨を動かす」といっても過言ではありません。
動きの順序としては「鎖骨+肩甲骨→上腕骨」です。
肩甲上腕リズムは人が本来持つ自然なものになります。
例えば腕を横から挙げる動作、解剖学的には「肩甲上腕関節と、肩甲胸郭関節が2:1で動く」と言われています。
どういうことかというと、
90°腕を挙げる(地面と平行)としたら
上腕と肩甲骨の関節で60°、肩甲骨が肋骨の上を滑って30°となります。
でも、これでは全然イメージが付かないと思います。
しかも、ただ角度が合えば良いというわけではなく、動きが連動するリズムも大切です。
肩甲骨を意識しすぎるがあまり、リズムが崩れては意味がありません。
それを手軽に最適化してくれるのが
「鎖骨の付け根から腕が生えている」
「鎖骨の付け根から動かすんだ」
という意識です。
騙されたと思って鎖骨の付け根から腕が生えているイメージで腕を自由に動かしてみてください。
今より大きく、楽に動くことが実感できると思います。
画像でまとめ
最後に、今回の内容を簡単にまとめたインスタストーリーの画像で復習しましょう。
皆さんの腕はBの位置から生えています!